経緯及び保健医療活動
平成17年度より、広島県等と連携して、教育・保健分野でのカンボジア復興支援プロジェクトに取り組み、シェムリアップ州での健診と保健教育を実施してきた。その後は徐々に現地保健センター等との連携も進み、児童の健康や成長に係る校長や教員の意識が向上し、校内に保健委員会が設置されるなどの成果が見られるとともに、太陽光発電によって電力が確保され、PCによる健診データの管理・活用が可能となった。
平成21年度からは、広島大学医学部、歯学部、大学病院などの協力を得て、健康教育や身体測定のノウハウがさらに深化して周辺村落にも波及し、地域における健康診断のモデル的試みが定着してきた。
《肝炎ウイルス感染状況調査》
こうした現地での保健活動の中で、アジアの他地域と同様に、カンボジアにおいても肝炎ウイルス感染の深刻な蔓延が推定されるものの、ほとんどデータがない現状が明らかになった。
このため、22年度からは、自治体国際化協会の助成と広島大学大学院疫学・疾病制御学教室(田中純子教授)の主導により、B型、C型肝炎ウイルス感染の実態を把握し、感染予防対策の検討をめざしたパイロット的な取組みを行っている。
具体的には、住民から採取した血清を遺伝子分析して感染の現状を把握し、カンボジア保健省とも連携し、調査結果の報告と感染拡大を防ぐための生活指導を行っている。
24年度は、広島大学大学院疫学・疾病制御学教室(田中純子教授)が行う上記血清疫学的調査と感染者に対する偏見や差別に関するアンケート調査に協力した。(平成24年8月18日~25日)
学校検診
24年度は、広島大学大学院疫学・疾病制御学教室(田中純子教授)が行う上記血清疫学的調査と感染者に対する偏見や差別に関するアンケート調査に協力した。(平成24年8月18日~25日)
歯科チームが活動を展開するワット・ボー小学校を訪れた。カンボジア最大規模の小学校であり、現地在住の日本人の指導による音楽教育をはじめ、立地とスケールメリットを活かした様々な活動を行っている。
校長に健診と保健教育の可能性を打診したところ、児童の健康に深い関心を有し、既に行っている身体測定等に加え、内科健診の実施を切望している実態が判った。(平成25年2月17日~20日)